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それは昨日の夕食時の事だった。 「あの~。私、明日は朝から出掛けて、夜はみなみちゃんのお家にお泊りするから、朝ご飯以外はいらないからね」 「ああ、そういえば、お父さんも明日は朝から新刊のサイン会があって、その後は編集の人と打ち合わせがあって帰りが遅くなると思うから、昼と夜はかがみちゃんと二人で食べておいてくれ」 明日は朝から、お父さんとゆーちゃんが出掛けて居ない。 つまり、一日中かがみと二人っきりになると――。 これはオタクとして、女として、このレアイベントを最大限に活用しなきゃバチが当たる。 そう思い立った私は、試験前夜の一夜漬けの時以上に脳をフル回転させ、明日の一日を有意義に過ごす最良のプランを導き出した。 名付けて「今日のかがみの夕食は私だよ(性的な意味で)計画」だ。 “攻め”も良いけど、たまには“受け”もやってみたいからね。 そうと決まれば、念入りな準備が必要という事で、私はお風呂に入ると、いつもよりも早くに就寝する事にした。 勿論、かがみとのおやすみのチューや、私とかがみのめくるめく愛の欲望番外地も今日はお預けだ。 今日は“疲れてる”(この部分を特に強調)から早めに寝るね、とかがみに告げると、かがみは物凄く寂しげな表情をしながら頷いた。 ごめんね、かがみん。 でも、こうしないと、かがみが寂しがりやのうさちゃんからお腹を空かした狼に変態(トランスフォーム的な意味で)しないからね。 かくいう私の方も、遠足前日の小学生のようになかなか寝付けなかったけれど、羊の数、もとい、かがみの数を数えている内になんとか寝付く事が出来たのだった。 翌朝。早寝の効果もあって、私は予想通り隣で寝ていたかがみよりも早くに起きる事が出来た。 多分無いとは思うけど、遅くまで寝ていたら、先に起きたかがみに朝這いされて計画が台無しになる可能性もあったからね。 その後は、お父さん、ゆーちゃん、私よりも20分後に起きたかがみを交えて朝食を取った。 リビングで見せた今朝一番のかがみの表情は、一見すると澄ました表情に見えるものの、かがみ専門家の私にしてみれば、「これは溜まって来てるな」というような顔だと一目で分かる。 よしよし。この後も、慎重且つ大胆に計画を遂行していきますか。 ☆☆☆☆☆ 二人を送り出した後、私は夏休みの宿題を片付ける事にした。 「とゆーわけで、かがみ宿題見せて」 「結局それかよ! っていうか、いい加減、高校3年なんだから、それくらい自力でやんなさいよ」 「やだよ。面倒くさいし」 「面倒くさいって、アンタのノルマだろうが! ああもう、絶対に見せないから全てアンタ一人で解きなさい!」 ううっ…。このままじゃ課題に追われる作業だけで、今日一日が終わってしまうじゃないか…。 仕方ない。ちょっと予定が早まるかもしれないけど、ちょっとカマをかけてみるか。 「ああ…、せっかく結婚してから、始めて二人っきりで過ごせると思ったのになぁ…。かがみはそれで良いの?」 「うっ…。わ、わかったわよ。今日だけだからねっ!」 目をうるませ、上目遣いでそう言うと、かがみはいとも簡単に陥落した。 「あ~ん、かがみ大好き~♪」 「あっ、コラ、そんな事で抱き付くな!」 「こなたは嬉しくなると、ついかがみに抱き付いちゃうんDA☆」 「何言ってんのよ、このバカ…」 おおっ、デレたデレた。 だけど、このままズルズルと行っちゃうと、肝心の計画も宿題を写す作業も進まなくなっちゃうから、一旦ここで退いておかないとね。 「じゃあ、そーゆーわけで借りてくねー」 私はあっという間に抱擁を振り解くと、かがみの宿題を借る為、かがみの部屋に華麗に入室した。 部屋のドアを閉める直前、あのまま廊下に突っ立っているかがみの様子をチラ見すると、呆然としたかがみの姿がそこにはあった。 ☆☆☆☆☆ さてと、なんとか宿題も片付いた事だし、お昼ごはんの支度でもしますか。 ちなみに、今日の献立はご飯に納豆、オクラに山芋のとろろ汁。そして昨日の残り物のジャガイモの煮っ転がしだ。 …やけにネバネバとした物が多いのは、勿論精力を高める為である。 まぁ、女性にも効果があるのかどうかは知らないけどさ。 そして、私はその二人分の食事をテーブルに向かい合わせではなく、隣り合わせで配置する。 なんと言っても、これがこの作戦の最重要ポイントになるからね。 「かがみー。昼ごはん出来たよー」 「あー、はいはい」 私は部屋でラノベを読んでいたかがみを呼び出す。 返事をするかがみは、心なしか、やや不機嫌そうに見える。 まぁ、あれから一度もかがみに構わず宿題を写し続けてたんだから、そうなるのも当然かな。 私は敢えてその事を気にするような素振りを見せずに、かがみを席に着かせる。 「あれ? 私の分の箸が無いんだけど…」 すると、自分の箸があからさまに置かれていない事に気付いたかがみは、困惑の表情を浮かべた。 私はその指摘にも対応せず、そそくさと一口では食べきれない大きさのジャガイモを箸で半分に割ると、それをかがみの口の前に持っていった。 「はい、かがみ。あーんして」 「なっ!?」 かがみの顔がみるみる内に赤く染まっていく。 ここはどんどん押していかないと…ね。 「ああ、そっか~。普段は人前でこういう事をやるのは恥ずかしいからって何度も拒否してたもんね。でも、今は二人っきりなんだし――」 「わ、わかったわよ。食べれば良いんでしょ、食べれば」 観念したかのように開かれたかがみの口に、私はジャガイモを運び込む。 「どう?」 「…うん。昨日よりも味が染みてて美味しいわよ」 相変わらず顔を真っ赤にしたまま、しおらしくそう答えるかがみ。 そんな夢にまで見た光景に、実の所、私の方も興奮を隠せなかったりする。 続いてご飯を差し出すと、それもかがみは黙って食べた。 そうなんだよ。私がずっとこれがやりたかったんだよ! 完全に調子に乗った私は、とろろ汁の入ったお椀を傾け、口の中に流し込むと、両手でかがみの顔を引き寄せていく――。 「ちょっ、こなっ……」 ――どう見ても口移しですが、何か? しかも、そのまま軽くフレンチキスに移行するコンボも炸裂させている。 …うーん。何度キスしても、かがみの唇は柔らかくて全然飽きないなぁ…。 でも、あんまりやり過ぎるとご飯が冷めちゃうから、そろそろこの辺で――。 「んっ…ぷはっ……はぁ…はぁ…」 「かがみ、おいしい?」 「うん…おいしい…」 「んじゃ、次は――」 「も、もういいわ! あとは自分で食べるから!」 「えーっ? 別に良いじゃん、二人っきりの時にしか出来ないんだよ?」 「そんな事言っても、あまり時間を掛けすぎるとご飯が冷めるし、それに…これ以上されると私の理性が持たないわよ!」 生殺し状態のかがみは半泣きになりながら私にそう懇願してくる。 「あー…。それはさすがにマズイよね……」 ――今襲われると私の計画が台無しになっちゃうし。 「ん、何か言った?」 「いやいや、何も言ってませんよ、かがみ様」 「急に敬語になる所が却って怪しいんだが…」 「まーまー、そんな事はどうでも良いから早く食べないと冷めちゃうよ」 私はそう誤魔化しつつ、かがみの分のお箸を差し出すと、かがみは若干納得のいかない顔をしながらも、それ以上詮索する事無く料理に手を付け始めた。 ふぅ、危ない危ない…。 「それにしても、今日のおかずの偏り具合はどうにかならなかったのか?」 「夏だからね。ネバネバな物を食べて精力を付けないとさ」 「…それは“誘ってる”と受け取って良いのか?」 「さぁて、どうだろうね?」 ニヤニヤしながらそう答えると、一瞬だけどかがみの瞳が妖しく輝いたのを私は見逃さなかった。 これでこの場面はみっしょんこんぷりーとだね♪。 ☆☆☆☆☆ 食後、寂しがり屋のウサちゃんは、事ある毎に私に引っ付いて来るようになったのだけど、私はそれをテキトーにあしらい続けた。 「ねぇ、こなたぁ」 「ごめん、かがみ。これから洗濯を始める所なんだよ」 「ほら、こなたってば~」 「あ、ごめん。これからお隣に回覧板を届けて来ないといけないんだよ。あそこのおばさん、話を始めると長くてねー」 「こ~な~た~」 「残念だけど、洗い終わった洗濯物はすぐに干さないと皺になっちゃうから…」 「こなたん♪」 「かがみん、これから宅急便が来るんだよ」 「こなちゃん♪」 「かがちゃん、悪いけど、今配達物の中に入ってたプチプチを潰すので大変だから…」 「……」 かがみは恨めしそうな顔で私を見つめていたかと思うと、…もういい、と一言だけ吐き捨てて、ソファーの上で不貞寝を決め込んでしまった。 あー、とうとう拗ねちゃったか…。 さすがにプチプチ潰しを理由にするのは自分でもどうかと思うけど、今は何がなんでもかがみのフラストレーションを溜めさせなければならない。 相手にその気にさせておいていざとなれば焦らす。いわゆる押して引くの作戦だ。 っていうか、普段の受け身な生活(性活?)に飼い慣らされてしまったかがみは、ここまでやらないと積極的になってくれないんだよね…。 …さてと、ちょっと早い時間だけど、これ以上引っ張ると逆に雰囲気が悪くなるだろうし、そろそろ仕掛けに入らないといけないね。 意を決した私は、本番に臨む準備に取り掛かる為、音を立てないように自分の部屋に引っ込んだ。 ☆☆☆☆☆ 「…ほら、かがみ。晩ご飯の時間だよ。起きて」 しばらくして、私は不貞寝状態のままのかがみを起こそうと、体を揺する。 「なんだよー。まだ5時にもなってないじゃな――」 きっと狸寝入りしていただけなんだろう。寝起きとは思えない素早いレスポンスで、非常に不機嫌な顔をしたかがみがこっちを向き――私の姿を目にして、ものの見事に硬直した。 「あ、あんた、その格好…」 「えへへ…。みんな大好き裸エプロ~ン♪」 驚くかがみの目の前で、私はまるでモデルさんのようにクルリと一回転してみせる。 いや~、こういう時の為に、フリルの付いた白エプロンを買っておいて正解だったね。 「どう、似合う?」 「い、いや、似合うけど…。っていうか、似合いすぎ…」 くふふ、動揺しすぎて本音まで口に出してるよ…。こういう所が可愛いんだよね。 散々焦らされたせいなのか、これだけで既にKO寸前なかがみに対して、私はトドメとしてオーバーキル確実な一撃を叩き込む。 「だからさ…かがみ、今夜はおなかいっぱいにわたしをた・べ・て。…ねっ?」 殺し文句と共に、人差し指を唇に当てて、一番自信のある悩殺ポーズを決めてみせた。 すると、その刹那、 「っ、こなたっ!」 かがみの声が早いか遅いかぐらいのスピードで、私の視界が大きく動く。 その原因が、私がかがみに押し倒されたからだと認識した時には既にかがみは私の体中にキスの嵐をお見舞いしていた。 そして、キスをしながら、かがみは衣服を脱いで行く。 私はそれを器用だなーと思いながら、黙ってその様子を見守った。 「ふふふ…。こなたぁ、今日という今日は容赦しないからね、覚悟しなさい」 下着姿になったかがみは両手で私の顔を固定させ、目と目を合わせた状態でそう宣告する。 その目は、飼い慣らされた狼が野生に目覚め、迷える子羊を狩ろうとしている物そのものだった。 勝った…計画通り。 意図したままに事が進んだという事実に私は大きな満足感を感じながら、その身をかがみに委ね――。 「ただいま~。いや~、打ち合わせが思いの外早く終わってな――」 これまた絶妙なタイミングで家に帰ってきたお父さんによって、何時間も掛けて作り出した空気や計画は全てが台無しになった。 そして、裸エプロン姿の娘と、その娘の嫁が下着姿で娘を押し倒しているというカオスな光景を目の当たりにしたお父さんは――目を点にしたまま完全にフリーズしてしまった。 …えっと、これなんてデジャヴ? しかも良く見たら、かがみも私を押し倒したまま恥死してるし…orz ☆☆☆☆☆ 後日、恥ずかしながらも、私はお父さんが何故あの時フリーズしたのかを聞いてみた。 するとお父さんは、「死に別れた嫁と瓜二つな娘が、同性の嫁を連れてきて裸エプロンと下着姿であんな体勢になってる所を目撃したら、昇天するに決まってるじゃないか。色んな意味で」と真面目に答えてくれた。 あと、散々たる結果だった私達とは対照的に、ゆーちゃんの方は上手く行ったようだ。 …どういう意味でかは知らないけど。 ちなみに、今回使用した『裸エプロンこなた』は、後日、性欲を持て余したかがみが“徹底的に”美味しく頂きましたとさ。 アルバイト始めましたへ続く コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-05-05 22 44 40) こなちゃんかがちゃん -- 名無しさん (2023-02-13 02 55 49) もう……ずっとニヤてしまう… -- 名無しさん (2020-11-11 05 35 30) 正に至高のバカップルですね -- 名無しさん (2013-03-19 20 57 51) ドナルドwww -- 名無しさん (2012-12-08 11 06 24) 想像したら鼻から出血多量! -- かがみんラブ (2012-09-23 20 52 17) ニヤニヤがとまんねぇwwww -- 名無しさん (2009-04-27 20 25 35) おぉ…、…すげ… -- 名無しさん (2009-04-27 01 56 09) ニヤニヤがヤバい 後日に 美味しく頂けて良かったね!!かがみん!!(性的な意味で) -- ラグ (2009-02-01 16 23 38) ニヤニヤが止まらねぇw -- 名無しさん (2009-02-01 04 38 54) そwwうww君wwのwwバカww -- ハルヒ@ (2008-09-22 01 45 45)
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こなたランナー by 14-470 ピーッ 5限目の運動場を、ホイッスルの音が響く。 その音と共に、私は駆け出す。 100メートルは、長いようで走ると短い。 「15秒68。こなちゃん早いね」 ストップウォッチを持っていたつかさが言った。 「ふぅ~疲れた。ちょっと休憩してくるね」 「うん」 私は、グラウンド脇の階段に座った。 何故だろう…頭がふらふらする… バタッ 「あれ?こなちゃん?こなちゃん!」 ─あれ、ここは… 「こなちゃん!」 「泉さん!」 「おう、泉。気いついたか」 目の前に、先生とつかさとみゆきさんが居た。 私の頭には、冷えたタオルが置かれていた。 「あ、あの…ここは…」 「ここは保健室や。泉にしては珍しいもんやな。」 「こなちゃん。心配したよ!」 「泉さん、あまり驚かせないで下さいね…」 「うん。ごめん、つかさ、みゆきさん、先生」 その日、私は放課後まで寝ていた。 放課後になると、かがみんも心配してくれた。 「こなた。大丈夫?倒れたんだって?」 「うん、運動不足なのかな」 「こなちゃん、体力自慢なのにね」 「確かにそうですよね」 まだ頭はふらふらする… 私は、家に帰った。 その日は、すぐに寝た。 翌朝起きても、なかなか気分が優れない。 その日は一日中ぼーっとしていた。 「こなちゃん、帰るよ?」 「あ、うん」 「最近調子が乗らないようですね」 「いやぁ、何だろうね。やっぱり体動かさないとだめなのかな」 その日、私は病院に行った。 「診たところ、特に異常は見受けられませんが、 これ以上症状が出るようでしたら、 市民病院にでも行かれてみてはどうですか?」 「はぁ…」 家に帰ると、お父さんが出迎えてくれた。 「こなた…大丈夫か?」 「うん。これ以上症状が出たら、 市民病院に行った方がいいって」 「そうか…何か重い病気なのかもしれんな…」 「お、お父さん…やめてよ」 「冗談だって!こなた。異変が起きたらいつでもお父さんを呼ぶんだぞ? 何があっても駆けつけるからな」 お父さんは、両手を私の肩に乗せて言った。 「うん。そうするよ!」 その日も、私はすぐに寝ることにした。 どうも頭が痛いというか、 たまに眩暈のような視点のぐらつきが起こる。 やっぱり明日、市民病院に行こう。 お父さんの言うとおり、本当に何か 重大な病気なのかもしれない。 確かめるまでは、気になって仕方がない。 とりあえず学校は休んで。 翌朝、私とお父さんは車で市民病院に行くことにした。 病院では特に精密な検査はされなかったが、 頭のレントゲンだけは撮られた。 「今のところ、特に脳に異常は見られませんね… 2、3日様子を見て、また来てください。 その時にまだ違和感があれば、再検査しましょう」 「はい…」 そして、私とお父さんは一先ず家に帰り、 私はその日はゆっくりとベッドに寝ていることにした。 夕方、お父さんは念のために頭痛薬を買いに行った。 お父さんが出て行ってから数分後、玄関のチャイムが鳴った。 ドアの小窓から覗くと、かがみんとつかさとみゆきさんが居た。 私は、ドアを開けた。 「やあ、みんな」 「やあみんなじゃないわよ。どうして来なかったのよ」 「いやぁ、まぁ…なんか頭痛くてさ」 「こなちゃん、頭痛いの?」 「泉さん、これ今日もらったプリントです」 「あ、ありがとう。えーと…『市内マラソン大会』?」 「そう。今年から始まったらしいの。あんたは出るの?」 「いやぁ、どうだろうね。何キロくらい走るの?」 「20キロくらいでしょうね」 「ひぇえ…」 「こなちゃんなら走れるんじゃない?」 「そ、そうかな…?」 「まあいいわ、今日はこれで。じゃあね、こなた」 「バイバイこなちゃん」 「さようなら、泉さん」 「うん、バイバイみんな」 市内マラソン大会。 参加は自由。 来月開催…か。 疲れるだろうな… でもまあ、今はこの頭を治さないと… しかし、私の頭は治るどころか徐々に痛さを増し始めた。 お父さんに買ってもらった頭痛薬を飲んでようやく落ち着くと、 そのまま寝てしまった。 明日には治まってくれることを願いながら… 翌日になっても、やはり頭は戻らず、 頭痛薬を飲むのが日課になりつつあった。 今日は、学校に行こう。 「みんな、おはよう」 「おっす、こなた」 「おはよう、こなちゃん」 「おはようございます、泉さん」 ここまではデフォルト。 「泉さん、もう治られたんですか?」 「まあ、一応ね」 「まさか仮病じゃないわよね?」 「そ、そんなわけないじゃん!」 「あははは、どんだけ~」 先生が入ってきた。 かがみんは急いで自分のクラスに戻った。 「はーい、席つきや~。ホームルーム始めるで~って 泉!?お前お父さんがえらい大袈裟に言うてたにしては すぐに復活しとるやんけ」 「あ、いや、あはは」 「さては仮病でも使ってゲマズでも行ってたんか?」 「ち、違いますよ!」 クラスに笑いが響き渡った。 そして、今日の授業は始まる。 学校は、やっぱり楽しいな。 学校が楽しくなったのは…いつ頃からだったっけ。 小、中学生と共に、学校で楽しい思い出なんか 一つもなかった。 あの頃に比べたら… 今の私は充実した毎日を過ごせているのかもしれない。 そして、その日の授業も終わり、私は家に帰る。 しかし、その時から頭に何か違和感があった。 重力場が安定しないような、今までよりも酷い眩暈が… 私は、ベッドに倒れた。 頭だけじゃない…何だか熱っぽい… メールすると、お父さんが帰って来て、 即座に市民病院に連れて行ってくれた。 そこで、私はレントゲンを再び撮られ、 CTスキャンにまでかけられた。 私は、熱が治まるまでは入院することになった。 今日の検査の結果は、少し先になるらしい。 私は、白い空間に一人残され、お父さんは帰ることになった。 後ろ髪を引かれる思いだったに違いない。 私も、孤独は辛いものだと一番良く分かっていた。 再びやってきた孤独。 私に以前降りかかってきた孤独は、 なかなか去ってはくれないものだった。 いくら嫌がっても、襲ってくる。 人間一人だと生きて行けないのは分かってる。 出来るだけ早く開放されたい… 私は、ぐっすりと病床で休むことにした。 翌朝、目を擦りながら起きると、 看護婦さんがカーテンを開けていた。 今日は清々しく晴れていた。 もう12時か… これだけ寝てもまだスッキリしないのは、 多分頭痛のせいだろう。 看護婦から頭痛薬を貰い、飲むことにした。 頭痛薬を飲むと、少し身体が楽になった。 熱はまだあるようなので、再び眠る。 その日、かがみん達は家に来なかったらしい。 私は、次の日に熱は下がったので、 一先ず夕方に病院を出ることにした。 お父さんが迎えに来てくれるまでは、 病院のロビーで座ってテレビを見ていた。 そして、お父さんは今日は道路が混んでて 電車で来たと言っているので、電車で帰ることにした。 無論、電車も混んでいた。 見渡すと、周りはキャラものの服を着た男の人ばかりで、 目の前に居た男の人が持っている沢山の紙袋の中には、 まさに同人誌やフィギュアそのものが入っていた。 そうか、昨日と今日にかけてイベントがやってたのか。 私は、男達の汗で湿度の高い電車の中で カーブの度に荒波に揉まれた。 そして、15分ほど経って ようやく私とお父さんが降りる駅が近づいてきた。 私とお父さんは、電車のドアの方に近づいていく。 そして、ドアが開くと同時に人が溢れ出す。 もちろん、ここで降りるわけでもない人々も一緒に押し出されるわけなので、 一気に鮨詰め状態になる。 私達も、一気に押し出されたわけだが、 私の目の前に居た人の方が強く前に押し出されていた。 ふと、後ろを振り向くと、紙袋が2つ程落ちてあった。 人々の流れに逆らい、紙袋を覗くと、 中には先程と同じものが入っていた。 恐らく、さっき私の目の前に居た人のものに違いない。 私は、2つの袋を持って改札へ走った。 さっきの男の人に届けなければ。 「こなた!どこ行くんだ?」 「ちょっと、落し物みたいだから届けてくる!」 「分かった。無理するなよ?」 私は、ホームを走った。 階段を登り、改札にたどり着き、 さっきの男の人が着ていたキャラものの服を探す。 比較的すぐにあたふたしているその人の姿を見つけたので、 見つけるのは容易だった。 私が手渡すと、その人は泣きながらお礼を言ってくれた。 いいことをした後は気分がいいね。 でも、少し頭が痛くなっちゃったな… 「よう、こなた。落し物は渡せたか?」 「うん!」 「よかったな、こなた」 そして、私達は家に帰り、 私はすぐに寝ることにした。 明日は、学校へ行こう。 翌日、私が学校に来ると何か違和感を感じた。 頭の違和感ではない。 教室の雰囲気である。 蔑むような目つき、嫌な視線が私を貫く。 特に気にしないことにした。 「つかさ、おはよう」 「あ…おはよう、こなちゃん」 「みゆきさん、おはよう」 「…おはようございます、泉さん」 二人とも元気がない。 仕方なく私が席に着くと、 男子生徒が数人私を囲んで口々に話し始めた。 「なあ、泉。お前一昨日からイベントに行ってたらしいな」 「えっ…?」 嘘…どこからそんな話が? 「先生が言ってたんだ。一昨日からイベントだってな」 「隠さなくていいぜ、ちゃんと証拠はあるんだしな、ほら」 男子の一人が、私の眼前に携帯を突きつけた。 見ると、私が雑踏の中で紙袋を二つ持って走っている姿が 克明に写っていた。 「こんなオタク紛れに紙袋二つしょってさ…」 「ち、違うよ…これは…落し物を…」 「だーかーら!!しらばくれるなって! 病気だからって仮病使ってズル休みしてたんだろ?」 「そ、そんな…違うよ…」 「けっ!仮病使ってまでイベント行くとか、 頭腐ってんじゃねーの?この仮病女が」 「…」 私は、反論の余地がなかった。 「これ以上ズル休みしたら、どうなるか分かってるよな?」 一人の男子が私の胸倉を掴んで引っ張り上げた。 「うわ、こいつ涙目だよ…きめぇ」 「お前がズル休みなんかする価値ねーんだよ。 糞蟲が。じゃーな」 男子は、自分の席に戻った。 私は、へたへたと机に突っ伏した。 何で…こうなるの…? 私が、何をしたっていうの…? 善意でやったことなのに… いいことをしたと思ってたのに… 私…仮病じゃないよ… 本当に、病気なんだよ… 「はーい、ホームルーム始めるでー… って泉!?またか!お前はイベントの日だけ 学校休むんかい!」 クラスに、笑い声が響いた。 私に対する陰湿な嘲笑が。 休み時間には、教室の端で陰口を言い放っている 数人の女子の姿が居た。 まただ… また、小、中学校の思い出したくもない光景が 現に今、訪れている。 昼休み、私は人気のない屋上で 弁当を食べることにした。 みんなの視線を浴びるのはもう嫌だった。 あぁ…もう、学校なんて嫌だ。 高校になって、もう辛いことはないだろうと思っていたのに。 一生分の辛さを小、中学生で味わったと思っていたのに… その時、屋上のドアが開いた。 つかさとみゆきさんが、こちらへ歩いてきた。 「つかさ…みゆきさん…」 「こなちゃん、大丈夫?」 「泉さん…大丈夫ですか?」 「ぁ…うん、これくらいはどうってことないって 心配しないで!」 「…そうは見えないよ。こなちゃん」 そうだ。 私には、かがみんとつかさとみゆきさんがいる。 「あははは…で、どうしたの?二人とも…」 「こなちゃん…ただ1つ、教えてほしいことがあるの」 「何?つかさ」 「こなちゃんは、何て病気なの?」 「え…?」 「病名が分かったら、私から黒井先生に伝えるから、 それで集会か何かになって皆に立証できるかもしれない」 「ま、まだ分からないんだ…検査の結果が出てない…」 「こなちゃん…言いたくない気持ちは分かるけど、 言わないとこの虐めはどんどんエスカレートしていくよ?」 「そうですよ。私たちは泉さんのために言ってるんですよ? 重大なら、重大な病気だと皆さんに言えるんですよ?」 「だ、だから…本当なんだよ…」 「こなちゃん!いい加減にしてよ。 私達、親友だよね?」 「泉さん、隠すのもほどほどにして下さらないと」 「だから!まだ分からないんだよ!」 私は、屋上で叫んだ。 「そっか…そうなんだね。よく分かったよ」 「え…?」 「泉さんは、せっかく私達が彼方に 協力してあげようとしているこの好意を、 踏みにじるんですね?」 「ち、違う…違うよ…信じて…」 「私達の友情って、そんなものだったんだね… もういいよ。こなちゃんがそれでいいなら 好きにすればいいよ」 「つ、つかさ…みゆきさん!」 「では、失礼します」 そして、屋上の扉は閉じられた。 その日の授業は、全く頭に入らなかった。 つかさもみゆきさんも、私を無視するようになった。 放課後には、かがみんまでもが… 放課後は、私は一人で家に帰った。 また、頭痛が激しくなってきた。 もう、嫌だよ… 何でこんなことになったんだろ… 私は…もう独りなんだ… 学校なんかもう行きたくない。 独り惨めな生活は、もうしたくない。 しかし、学校に行かなければ、 どんな仕打ちが待ち受けているか分からない。 絶望感に私は再び追い込まれた。 親友さえ失った今、残っているものは… 「こなた…おかえり。今日は頭、大丈夫か?」 「お姉ちゃん、病気なの?」 お父さんと、ゆーちゃん… 「頭は…痛い」 頭痛は昨日にも増して激しかった。 恐らく、今日受けたストレスが原因だろう。 「このままだとマズいかもな…また病院行くか?」 「…い、いや。明日も学校に行く…」 「そうか?無理はしなくていいんだぞ?」 「そうだよ。いくら受験生でも、 そこまで無理はしなくていいよ」 「ありがとう、お父さん、ゆーちゃん。 でも、明日は行くからね…行かないと」 私は、そのまま部屋に入って独りで泣いていた。 誰も助けてくれない。 でも、私は弱い人間なんだ… 皆に太刀打ちができる訳がない。 つかさ達は、せっかく私を助けてくれようとしていたのに、 裏切ってしまった。 でも、病名は出てないよ…本当に… 翌日思い足取りで学校に着くと、 上靴が無かった。 ゴミ箱を探してみると、私の上靴が入っていた。 上靴の中までゴミを詰められていて、とても臭かった。 中は、ぐっしょりと湿っていたが、仕方ないので履いて、 教室に入る。 その日、私は誰とも会話することなく一日を終えた。 トイレに入ると水をかけられたり、 足を引っ掛けられて転んだり、 完全なる虐めだった。 しかしそれは、先生にはバレない程度の虐めだった。 徐々に私のストレスを溜めていこうという作戦らしい。 学校に、私の居場所はもうなかった。 家に帰って携帯を見ると、メールが数十通にも及んでいた。 全てが迷惑メールだった。 もちろん、メールアドレスに登録していない人からも来ていた。 むしろ、それがほとんどだった。 それからの数日は、同じような日が何度も繰り返された。 それに比例するかのように、私の頭はどんどん痛くなっていった。 ある日、私は家に帰った時に気を失った。 再び、病院でCTスキャンとレントゲンを撮られた。 「脳に腫瘍が出来ていますね」 「悪性ですか…?」 「どうやら、悪性のようです。 元々は良性だと判定していたのですが、突然変異です。 こんなことは極めて異例です。 ストレスが原因だと考えられるのですが… あなたがもう少し早く病院に来て下されば、 適切な処置が出来たかもしれません」 このストレスというのは、 私が今まで過ごしてきた孤独が積もり積もったものだろう。 おまけに、私は脅しをかけられていたんだ。 病院なんか来られるはずがなかった。 「…残念ですが、こなたさんの命は、 あと1ヶ月足らずです。 延命治療を受けるのなら別ですが、 それでも死亡が数日間遅れるだけです」 「治ることは、ないんですね?」 「…はい。脳だけでなく、 身体のあちこちに転移している可能性がありますから」 そういえば、今日は身体が麻痺した感覚になった覚えがある。 「延命治療を、受けますか?」 「…少し考えさせて下さい」 「解りました。いつでもどうぞ。なるべく早めにお願いします」 翌日から、私は病院での生活になった。 延命治療をしても、死亡日を遅らせるだけ。 延命治療なんかして身体を拘束され、 病に蝕まれて苦しみ死ぬよりも、 自分で好きなように生涯を終えたい。 どうせなら、充実した人生のゴールを切りたい。 そうだ。 来週のマラソン大会に出よう。 応援団はいない。 いないけど、最期に走りたい。 遅れれば遅れる程、走ることが出来なくなる。 マラソンで走って、人生の未練を完全に捨て、ゴールテープを切る。 うん、それがいい。 すると、お父さんが病室に来た。 「こなた。延命治療のことだが…どうする?」 「私、延命治療は受けない。自分の人生は、自分の力で終えたい。 私、マラソン大会に出るよ。お父さん」 「そうか…解った。こなたはそれでいいんだな?」 「うん…お父さん、ごめんね。親不孝だよね、私」 「こなたがそれでいいんなら、それでいい。 お父さんのことなんか、気にすることない。 しっかり頑張ってくれ」 お父さんは、笑顔で言ってくれた。 内心は、寂しいのが見え見えだったけど。 そして、マラソン大会当日。 私は一人のランナーとして、ゼッケンを貰った。 スタート地点で、お父さんが励ましてくれた。 号音が鳴り、総勢約100名が走り出す。 陵桜学園高等部からは、私一人だけだった。 偶然だろうか… それとも、やはり… まあいい。 今は、マラソン中だ。 余計なことを考えて、酸素を使わないようにしないと… しかし、そう考えれば考えるほど、 今までの自分が走馬灯のように目に映る。 かがみんやつかさ、みゆきさんのこと… できれば、応援に来てほしかった。 最後まで私の友達であってほしかった。 頭痛は走るごとにズキンと頭に響き、 何度も走るのを止めかけた。 でも、私はゴールする。 そのために走ってるんだ。 人生のランナーを完走するために。 しかし、ゴールまであと2キロメートルのところで、 足が縺れて転んでしまった。 私は、もう駄目かと思った。 私の横を、どんどん他のランナーが過ぎていく。 やっぱり…一人じゃ… 「こなたあああああああああ!!!」 私は、目を大きく見開き、辺りを見回した。 しかし、山道だったので、かがみは居るはずがなかった。 ひょっとしたら、夢かもしれない… だがその声は、私に力を与えた。 あと、2キロメートルだ。 辛いことは、おしまいだ。 そして、山頂のゴール地点では車で移動していたお父さんが待っていた。 私は、ゴールテープを切り、そのまま走り続けた。 しかし、お父さんに抱きつくことなく、 そのままお父さんの手を強く握り締め、 まっすぐに走り、目の前に広がる崖に落ちないように 設置されていた柵をさっと飛び越え、 人々の悲鳴を聞きながら、 私とお父さんは風と共に人生のゴールテープを切った。 私、次もお父さんの子供がいいな─ こなたランナー その後 (終)
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こなたの父は? 泉そうじろうは、実娘こなたを心から愛していた。 こなたはそうじろうにとって、娘であると同時に、亡き妻かなたの忘れ形見でもあった。 そうじろうは、母親がいないこなたが寂しくないように、こなたに出来るだけのことをしてやりたいと思っていた。 それはこなたへの思いでもるが、 また若くして逝ってしまったせいで、かなたに与えることが出来なかった愛情を、 かなたにかわってこなたに注ぐことを意味していた。 そんな、そうじろうの仕事は小説家だ。今取り組んでいる作品は、親子鑑定を題材とした作品である。 編集「泉先生、今読者は結構知識が豊富ですから、A型だと思っていたらB型だった、位じゃ読者は驚かないですよ。」 「そこでですね、いま私、血液型と遺伝の資料を集めてきました。」 そうじろう「血液型や遺伝なんてよくわからないんですよ。説明おねがいできますか?」 編集担当者は、そうじろうに血液型と遺伝の関係を説明しはじめた。 理科オンチのそうじろうは理解に苦労したもののなんとか理解できた。 編集者「この資料は、権威ある先生に取材したものだから内容は堅いです。」 そうじろうは、新しい知識を得てうれしくなった。 それと同時に、この知識をこなたに教えてこなたを喜ばせてやろうと思った。 作品のほとんどは既に出来上がっており、親子鑑定が絡む部分を書き上げれば今回の作品は無事完成となる。 そうじろうは、新しい知識を作品に活かすことで胸が躍っていた。 気持ちが乗っているときは、筆の乗りもよく、意外と早く小説は完成した。 そうじろうは、新しく得た血液型の知識を自分の家族にも当てはめたくなった。 まるで新しい玩具を得た子供のように、この知識で遊びたくなった。 そうじろう「そうじろうはO型、かなたはA型、だから娘のこなたはA型。」 そうじろうは、血液型からみてもこなたが間違えなく自分とかなたの間の子であることで悦に入っていた。 そうじろうは、こなたが生まれてからの、血液型診断を古いアルバムを見るように眺めていた。 こなたの診断書には、単にA型とかいてあるものと、AA型と書いてあるものがあった。 むかし、そうじろうが初めてこれを見たとき単なるA型とAA型の区別なんて意味のないものだと思っていた。 だが今は違う、新たな血液型の知識を得たそうじろうにとって、AO型とAA型の違うものだった。 そうじろう「こなたはAA型・・・・・・・・・。」 そうじろうは、使った血液型の資料を見直して愕然とした。 「O型のそうじろうとA型のかなたの間に、AA型のこなたは生まれない。」 いやそんなはずはない。こなたは間違いなく俺とかなたの子のはず。俺は勘違いしている。 そうじろうはもう一度資料とこなたの診断書を見比べた。 資料によるとO型とA型の間にAO型は生まれてくる血液型として書いてある。 しかしAA型はO型とAO型の間に生まれてくる血液型となっていないのだ。 診断書を見直した。親切にもわざわざ、AA型と書いてくれている そうじろうは急に胸が苦しくなってきた。溺愛してきたこなたは自分の子じゃない。 しかも、かなたとこなたの親子関係は分娩の事実で明白なものである。もし、こなたが自分の子でないなら、 「かなたは自分を裏切ったことになる。」 そうじろうにとって今更受け入れられる事実ではない。 そうじろうは、身体の中で言いようのない苦しみのエネルギーが膨張しているような苦しさに襲われた。 そして思わずさけんだ。 そうじろう「うわぁぁぁぁぁぁぁ!あぁぁぁぁぁぁ!ひゃはぁぁぁぁ」 そうじろうは叫び続けた。自分の体の中で膨張している苦しみを吐き出すように…………。 そうじろうは急に力が抜け倒れこむように座り込んだ、激しく、そして何度も、床を叩いた。 そうじろう「ぐふぅ…………」 知らぬ間に涙が流れている。悔し涙か?はたまた、悲しみのキワミか? そうじろう「あじゅぁ・・・・うう・・・・・。」 泣きながら、顔を上げたそうじろうの目には、憎い仇かなたの遺影が飛び込んできた。 かなたとの楽しかった日々は、そうじろうの独り相撲だったのだ。 怒り狂ったそうじろうは、この苦しみをかなたにも味あわせたいと思った。 しかし、かなたは既に死んでいる。 そうじろうはかなたの代わりに愛情を注いでいるこなたにこの怒りの矛先を向けることにした。 午後5時ごろ、なにも知らないこなたは、家に帰ってきた。そうじろうは平静を装って、こなたを迎え入れた。 夕食を終え、こなたは自分部屋に戻った。いつものようにコンプを読んでいる。 そうじろう「おもしろいか?」 こなた「ユニーク」 そうじろう「そうか。」 この言葉を発すると同時にそうじろうはこなたに襲い掛かった。 こなた「お、お父さん!?なにするの!」 こなたの声は驚きで引きつっている。 そうじろう「おまえはなあ、俺の子じゃないんだよ。どこかの泥棒猫の糞ガキなんだよ!」 こなた「お、お父さん。どういうこと。」 そうじろう「お前の血液型はAA型だ!O型の俺とA型のかなたの間にAA型のお前は生まれてこないはずなんだよ。」 こなた「・・・・・・・・・。」 そうじろうは、かなたへの憎しみを込めてこなたの両手を後ろ手に縛り、 こなたの処女を奪ったのであった。 こなた「お、お父さん!?なにするの!」 こなたの声は驚きで引きつっていた。 そうじろうは、こなたの叫び声を無視し、こなたの両肩をつかんでベッドへ投げ込むように押し倒した。 そして、シャツを引き裂き、ブラをむしりとり、ズボンを脱がせ、パンツもむしりとった。 こなた「やめて、お父さん。」 こなたの声は鼻声になり、目には恐怖から涙が溜まっていた。 そうじろう「うるさい!」 そう叫ぶと、こなたの顔にビンタを食らわせた。 こなた「キャア」 こなたはシャツを引き裂かれ、ブラを外され、下半身は、黒いソックスとパンツが足先に絡み付いているだけになっていた。 露になったこなたの胸は子供の胸のように小さい。しかし、そうじろうはこんな胸の女が好きなのだ。 そうじろうはこなたの乳首に吸い付いた。かなたが死んで以来味わえなかった感触を楽しむことが出来た。 こなた「いやっぁ!」 西川口のソープ街で幾ら遊んでも、この童女体型の胸の感触はかなたでしか楽しめなかった。 そうじろうはいつも着ている作務衣を脱ぎ、自らの身体をこなたの肌に絡みつかせた。 かなたそっくりの「ぷにぷに感」である。かなたでしか味わうことの出来なかった「ぷにぷに感」にそうじろうは股間を熱くした。 そうじろうはこなたの唇を無理矢理奪った。 「かなたはこんな感じだったかな?まあいいや。ぷにぷにしてすごく気持ちいいな。」と思った。 こなたの目からは既に涙が流れ出していた。 こなた「やめて、お父さん、お父さん!」 懇願するようなこなたの声である。それでもなお、そうじろうはこなたに往復でビンタを食らわせた。 こなた「キャア」 そうじろうは、こなたの両足を持ち力いっぱい開くと、あらわになったこなたの恥ずかしい部分の写真を撮った。 そして自分の怒り狂った男根をこなたの膣にぶち込んだ。 こなた「お父さん、痛いっ、痛いっ・・・。やめて・・・。」 こなたは苦しそうにうめいている。そうじろうはカメラを取り出し、このこなたの表情を写真に写した。 こなたの股からこなたが処女であったことを示す血が流れていた。いよいよそうじろうも射精しそうになってきた。 そうじろう「ウッ!」 ついにそうじろうは射精した。 そうじろう「ハアハア。」 こなた仰向けに寝て少し荒い息をしながら、呆然としている。目からは涙が溢れ出ている。 そうじろうはそんなこなたの姿を見て満足げだ。 そうじろうはこなたに言った。 そうじろう「お前は、俺の子供を生むのだ。お前はかなたの身代わりだからな、かなたの罪をお前が償うのだ!」 こなた「ぐふぅ。」 さらに、そうじろうはこなたを虐待することにした。 そうじろう「おまえの悲鳴をかなたにも聞いてもらおう。今から遺影と遺骨をとってくる。」 そう言い残すとそうじろうは、急いで遺影と遺骨をとりにいった。 そうじろうはすぐに戻ってきた、遺影と遺骨だけでなく何か色々持っていている。 そうじろうはかなたの遺影をこなたの机にかざり、その横に、かなたの遺骨を置いた。 そして、普段は飲まないタバコに火をつけ、タバコが燃えるよう吸い込んだ。 そうじろう「さあ、こなた叫び声をあげてごらん。」 そう言うと、そうじろうはこなたの太ももにタバコの火を押し付けた。 こなた「ギャー。あじじ。やめて。」 そうじろう「いいぞ、こなた。」 ビシッ。そうじろうは鞭を取り出しこなたを殴った。 こなた「いたい、やめて。」 そうじろう「痛いか?俺の痛みはこんなもんじゃない、なんせ17年間も騙されてきたんだからな。」 また、そうじろうはタバコの火をこなたに押し付けた。こなたは苦痛に叫び声をあげた。 こんなことが、朝まで続いた。既にこなたの身体はぼろ雑巾のようだ。 そうじろう「そろそろ学校へ行って来い。お前が行かないと怪しまれるからな。 それと、もし、逃げたり余計なこと口走ったら、お前の愛するネットにこれが流れるぞ。」 そうじろうの手にはこなたを陵辱するときに写真をとったカメラがあった。 こなたは準備を整え学校に向かった。 こなたは頭が何かで締め付けられているかのように、何も考えられなかった。 呆然としたまま学校に着いた。 教室に入るとかがみ、みゆき、つかさの三人が集まっている。こなたは昨日からの事件を悟られないように勤めた。 こなた「お、おはよう…。」 しかし、三人の返事は。 かがみ「こなた、私たち友達を終わりにしないか。」 こなた「えっ?どっ、どうして?ががみにもし迷惑かけたのなら謝るからそんなこと言わないで…。」 かがみ「昨日、私の家にあんたのお父さんから電話があって。 私たちがあんたに暴力を振るっているので、私たちがあんたに近づくのやめてほしいって。 あんたさ、私たちのことどんな風に親に説明しているの?私たちあんたにどんな暴力振るった? 暴力どころか、宿題助けてやったじゃない?こんな言い方されてまであんたと付き合いたくないわ。 そういうことだからそれじゃあ。」 こなたは、目の前が暗くなった。そうじろうは、友達まで奪うつもりだ。 こなた「かがみ、違うんだよ。違うんだよ。お父さんが勝手に・・・・。」 こなたはすがりつくように、かがみに釈明しようとした。こなたは涙目になっている。 かがみ「あんたの家みたいに親子の仲がいいうちでどういう誤解が生じるってのよ? それに、あんたのお父さん私たちのこと黒井先生にいって叱ってもらうとか言っていたらしいわよ。 とんだ冤罪だわ。なんで助けてやってこんな仕打ち受けなきゃなんないの?」 こなたは胸が苦しくなり、吐き気がした。昨日以来のことをどう説明すればいいのだろう? かなたが、そうじろうの知らないうちに、そうじろう以外の男と関係を持ったうえに、 子供まで作り、これをそうじろうの子供だといって、そうじろうに育てさせていたのである。 この事実を知ったそうじろうが激怒し、かなたへの復讐として、 こなたを苦しめるために、わざとこんなことを言って友達を奪おうとしているのだ こなたは、これらのことをどのように説明すればいいのか解らなかった。 こなたは「なんとか誤解を解かなければ」と焦ったものの、よい方法が見つからない。 そんなとき、黒井先生が入ってきた。 黒井先生「よっしゃ。そんじゃホームルームはじめるで。みんな席に着け。」 かがみは、小走りでB組みの教室から出て行ってしまった。 残る二人も冷たい目でこなたをみている。こなたは追い詰められていた。 ホームルームが終わったあと、黒井先生はそうじろうの謀略どおりに、みゆきとつかさを職員室によんだ。 こなたには、授業の合間の短い休みにも、かがみ達の誤解を解こうとしたが、かがみ達はこなたを避けていた。 昼休み、こなたはかがみ達が三人で食事をしているところに、おもいきって話しかけた。 こなた「……実は、あのかがみ達が私をいじめているという話は、お父さんが私に嫌がらせするための作り話で……。」 かがみ「はあ?何言ってんだかわかんないよ。せめて日本語で話してくんない。」 こなた「お父さんが私に嫌がらせしているの!」 つかさ「こなちゃんさあ。あんなにお父さんと仲良かったじゃない?そのお父さんが何で嫌がらせするの?」 こなた「私、お父さんの本当の子じゃないから・・・。」 かがみ「本当の子じゃないなら、何で、今まで育てたんだ?」 こなた「昨日それがわかったらしくて・・・。」 みゆき「泉さん、私達黒井先生に『やっぱり、お前ら、泉がヲタクだと思って、イジメとったんかい』 って言われたんですよ。私達、イジメをする人間と思われたんですよ。責任とってください。」 こなた「みゆきさん、先生のところへ一緒に行って、誤解をとくから私を信じて。」 みゆき「私達が暴力で泉さんにそう言わせていると思われるだけですわ。返って逆効果ですから、結構です。」 こなた「・・・・・・・・・。」 かがみ「とにかく私達の近くに寄らないで。またイジメていると思われたら迷惑だわ。」 三人は二度とこなたと口をきくことは無かった。 叩かれたあと、火傷のあとが痛む。それらよりつらいのは未来がないことだ。 これから続く虐待の日々、消えてゆく友情。こなたにもはや生きる気力はなかった。 放課後、こなたは家に帰らなかった。帰ればまたそうじろうに虐待されるだけである。 逃げるにしても何処に逃げればいいのか解らない。こなたに居場所は無かった。 こなたは秋葉原で時間を潰すことにした。 丁度、カードを持ってきていたので、幸いなことに一応お金はあった。 こなたは秋葉原でおもいっきり遊んだ。しかし、やはり一人では楽しさも半減していた。 ときどき昨晩以来の出来事が頭をよぎった。かなたは何故そうじろうを裏切ったのか?本当の父は誰か? こなたは初めて母を恨んだ。生まれてきたことを後悔した。でも今のこなたは心に浮かぶ色々なことを忘れようと決めた。 「今は楽しむことが重要だ。」そうおもった。ほしかったフィギュアも、グッズも惜しげもなく買いあさった。 秋葉原も夜遅くになってくると、段々人影も減ってくる。店じまいする店も出てきた。 その風景は、秋葉原までこなたから去って行くように思えた。 「これで終わりか。」こなたは思った。 秋葉原の町の様子が見られる安いビジネスホテルにこなたは宿を決めた。 部屋にはいるとこなたは窓のカーテンを開け町の様子を見た。秋葉原も見納めである。 こなた「秋葉原で色んな楽しいことしたな、コスプレ喫茶でバイトもしたなあ。」 街の明かりの一つ一つがこなたの思い出と結びついている。こなたの目から涙が流れ出た。 窓際から離れたこなたは、ベッドに寝転がり、おもいでに浸った。 まだ、そうじろうがこなたを自分の子と考えていたときのこと、かがみ達との出会い。それらの幸せな日々のことだけを思い出した。 そうじろうは、こなたが物心ついたころにはようやく売れ出したころだった。まだ生活が厳しかったが、 そうじろうは必死にこなたの面倒を見てくれていた。母親のいないこなたが寂しがらぬよう、そうじろうは勤めて明るく振舞っていた。 中学までこなたは友達があまり出来なかったものの、高校に入りやっと親しい友が出来た。それがかがみ達だった。 高校の入るころにはそうじろうの仕事も順調になり、こなたは幸せな日々を送っていた。今まで出来なかった楽しいことがいっぱいできた。 みんなでお祭りにいったり、コミケにいったり、海にいったり・・・・。そんな幸せは一瞬で崩れた。 こなたは自分を取り囲むように買ってきたフィギュアをおいた。 こなた「これでさびしくない。」 「こなた、みんながついてるよ。」こなたはフィギュアたちがこんな風に語りかけてくれているようなきがした。 こなたは思った。天国にいけるといいな。でも天国でお母さんに会ったときなんていえばいいんだろう? いまのこなたは母の胸に素直に飛び込める心境ではなかった。 こなたは、もし生まれ変われるなら、とおもった。 生まれ変われるなら、もう一度、かがみ達と友達になりたいな。ゲームならリセットできるのに・・・・。 こなた「かがみ、つかさ、みゆきさん、今まで仲良くしてくれてありがとう、さようなら。」 こなたは用意していた大量の睡眠薬を飲み、カッターで手首をきった。血が噴出した、やがて意識が朦朧となった。 薄れ行く意識の中、こなたは最後の夢を見た。夢の中ではそうじろうは本当の血のつながったこなた父で、かなたは生きている。 三人は、仲良く暮らしている。学校にはかがみたちが仲良くしてくれている。 こなた「かがみん・・・・・・。みんな・・・・・。もう一度あいたい・・・・・。」 翌日、チェックアウトの時間になっても出てこないこなたの様子をボーイが見に来た。 ボーイが部屋のドアを開けると、そこには、フィギュアやアニメ、ゲームグッズに囲まれるようにして少女が血だらけで眠っていた。 少女の顔はやや微笑んでいるようにみえた。ボーイはあわてて警察をよんだ。 ―泉こなた享年17歳、秋葉原に眠る― 事件は陵桜学園にも伝えられた。かがみ達は驚いたものの特に何かする様子もない。 こなたの記憶も普通の記憶と同じように、これからの出来事の下にもれていくだけだった。 終わり
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「ねぇ、つかさ」 暑さがますます増してきた七月間近。 柊家に遊びにきていた私は、いつものように遊んでいたゲームをやめて隣で漫画を読んでいるつかさに尋ねた。 かがみが欲しいものを知らないか、と。それがどんな結末を生むのかも知らずに。 「どうしたの急に」 「もうすぐつかさとかがみの誕生日じゃん」 去年のようにコスプレ衣装を渡そうかとも考えたけど、二番煎じじゃインパクトもないし、 二人ともあまりお気に召さなかったようだから早々に却下した。 贈るからにはなるべく喜んでもらいたい。それなら本人が希望しているものが一番だ。 だけど直接訊くのは芸がない。やっぱりプレゼントには『何が入ってるのかな』ってワクワク感がないと。 というわけでこの一週間、かがみのプレゼント選びに頭を悩ませていた。 つかさのプレゼントはすぐに決まったからもう用意してある。犬のぬいぐるみと新しい調理器具。 一ヶ月くらい前につかさが欲しいと言っていたのを憶えていた私の頭に感謝した。 かがみには悩んだあげく、無難にラノベと可愛いお菓子類でも贈ろうかなと考えていたけど、 私はラノベには詳しくないし、かがみの好きな種類のものが選べるかはわからない。 今日遊びにきたのは、さり気なくかがみの本棚を見て好みを探ろうと考えたからだった。 生憎かがみは出かけていたけど(夕方まで帰らないらしい)むしろ好都合だ。 気兼ねせずにつかさに色々訊けるしラノベよりも欲しいものがあるかもしれない。 というか、意地を張らずに最初からつかさに訊けばよかった。 「お姉ちゃんが欲しいものー……あっ」 たぶん何か思い当たったんだろう。へにゃんとしていた黄色いリボンが、猫のしっぽのようにピンっと立った。 どういう仕組みになってるのそれ。私のアホ毛と一緒かな。 「こなちゃん」 「何? つかさ。欲しいものわかった?」 「だからこなちゃんだよ」 「……は?」 私の頭が暑さでおかしくなってしまったんだろうか。それとも聞き間違い? 爆弾発言に混乱してしまう。それがまともにとりあっていないように見えたのか 少しむくれたつかさは大きな声でもういちど爆弾を投下してくれた。 「お姉ちゃんはこなちゃんが欲しいの!」 私が欲しいって、そんなどこかの変態魔導師じゃあるまいし、そもそも私魔力ないんだけど。 なんて、つかさは元ネタを知らないだろうから茶化すこともできない。 「ほんとだよ。うそじゃないもん」 「うん、それはわかるよ」 確かに冗談を言っているような雰囲気はなかった。だってつかさの目は真剣だ。 こんなに凛々しい顔つきは初めて見たよ。できればもっと違う状況で見たかったなぁ。 というか、本当にかがみは私が欲しいのか。そんな素振りちっともなかったじゃん。 でもつかさには気づかれているあたり詰めが甘いね。こんなふうにばれるかもしれないのに。 私がかがみを好きじゃなかったらどうするつもりだろう。 そう、私はかがみが好きだ。たぶん恋愛感情で。気づいたのはたった今だけど。 かがみが私を欲しがっていることに驚きはしたけど嫌じゃなかった。それどころか嬉しく感じる気持ちもある。 つまり、そういうことなんだろう。 こんな形で気づくなんて我ながら情けないと思いつつ、つかさにもう一度尋ねた。 「かがみの欲しいものはわかったけどさ、それってどうすればいいと思う?」 「こなちゃんをお姉ちゃんにあげればいいんだよ」 『それともそれが嫌なの?』と不安げな目にさせてしまったから慌てて言葉を付け足す。 「う、うん。それは別にいいんだ。でも私をあげるとしてもどうやって」 私は物じゃないし、はいどうぞと渡せるもんでもない。裸の私を赤いリボンで包装した後箱に入って かがみが箱を開けた瞬間抱きつく、なんて最近のラブコメマンガでも見ないお約束をするわけにもいかないし。 恥ずかしいうえに、痛いよ。色んな意味で。 そんなアホなことを考えたのがいけなかったのか。 つかさはすごく長いリボン(赤色)を取り出して、私の腕に巻きつけた。 「えっと、まずこのリボンを」 「もういいよわかったからそしてごめんそれ却下」 「すごーい、どうしてわかったの?」とすげなく拒否をしたことなんて気にもしていない無邪気な笑顔に どっと全身の力が抜けた。そんなリボンどこにもなかったよねとツッコム気力もない。 「うーん、でも」 ん? と手に違和感を覚えた瞬間――私の視界は反転した。 反転した視界に最初に映ったのはつかさの顔。そして次に映ったのはその手に持っている赤いリボン。 「この方法が一番喜ぶと思うな、お姉ちゃん」 私はつかさに馬乗りされて、腕をリボンで拘束されていた ――ちょっと待って。何この状況。 「つか、さ? ちょ、シャレになんないって」 「だって冗談じゃないもん」 ひょいっと私を抱えあげるとつかさは居間から出ていく。 「ど、どこ行くのっ?」 「お姉ちゃんの部屋だよ。痛くしないから、ね?」 痛いとか痛くないとかの問題じゃないよ! いやそりゃ痛くないほうがいいけど! そもそも私の相談って誕生日プレゼントだったはずだよね!? 今こうしても意味がないじゃん!! 至極真っ当な反論の数々は、途中で口を塞がれたのでほとんど言えなかった。 かがみの部屋に運ばれてベッドに寝かされてからが本番だった。 さすが器用なつかさ。全然動けないのに痛くも苦しくもなく、腹が立つくらい綺麗なラッピングをしてくれた。 ご丁寧にカードまで付けていく徹底振り。そういや前にかがみがつかさは凝り性だって言ってたっけ。 じゃあ、まだ裸にされて箱に入れられていない分マシだと考えるべきだろうか。 このまま帰れなかったらお父さんが心配すると訴えてもきいちゃくれなかった。 ラッピングが済んだら連絡するので大丈夫らしい。「安心してね」と天使のような笑顔で言われて泣きたくなった。 そんな心配りは心底いらない。 かがみに早く帰ってきてほしいようなほしくないような、自分は明日の朝どうなっているのかと怯えながら いつかつかさに絶対復讐してやると誓いを立てていた。 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-04-10 05 26 01) 黒つかさキタw その後のかがみんにされるがままにされるこなたを妄想すると・・・ -- 白夜 (2009-10-09 00 21 33) ワラタwこなたとつかさのボケツッコミに、つかさにされるがままのこなた、そしてこの後はきっとかがみにされるがままなんだろうなあ…柊姉妹恐るべしwww -- 名無しさん (2008-07-03 11 16 10) つかさ・・・怖いです。 不覚にも変態魔道師でフイタww -- 名無しさん (2008-07-01 08 34 07)
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こなたに彼氏が出来た。それはかがみにとって衝撃的な出来事であった。 昼休みの昼食時、こなたは彼氏が出来たと告げた。 その報告をするこなたの嬉しそうな顔を見てかがみは、複雑な気持ちになる。 「でさー、いつも放課後にゲマズとか行こうってなってね」 こなたと同類の彼氏らしい。気もあうのだろう。かがみは、つかさの作ったウインナーをフォークで刺すと、口の中に放り込んだ。 あまり味がしない。というより味を感じない。 「そうか、こなたにも彼氏か」 平静を装うためにもなんとなくつぶやいてみた。だけど、その言葉はより一層かがみを悲しくさせただけであった。 (なんで私、こんなに悲しいんだろう) かがみは疑問に思った。こなたに先を行かれたから? 恋愛が羨ましいから? 友人としては普通、喜ぶべきところなのだろうが、やはり悲しみと憂鬱さが増していく。 「かがみも、頑張れば出来るって!」 その慰めの言葉もただ空虚に響くだけだった。 おかしい。午後の授業中、かがみはそればかり考えている。 このよくわからないもやもやはどこから来て、どこへ行くのか。当ての無い感情の発露はどうすればいいのか。 かがみは自分でもよくわからなくなっていた。 (このせつなくて、やるせない気持ちはどうしてやってくるだろうか) 原因はこなたにあるのはわかっていたが、その原因からどうしてこの症状が出てくるのか見当もつかなかった。 放課後、こなたは彼氏とそのままどこかへ行くらしく、つかさと一緒に帰っていた。 かがみはいつもと違う帰り道に寂しそうにうつむいている。そんな様子を吹き飛ばすように、つかさは大げさに 「それにしてもこなちゃん、羨ましいね」 「まさか、あついに先を越されるとは思わなかったわ」 「お姉ちゃんも、頑張れば出来るよ」 こなたに言われたことをまたつかさに言われる。落ち込んでいることがつかさにもわかるらしい。だけど、その励ましの言葉はなんの意味を持たなかった。 「あーあ、こなたがいないと調子が狂うわ」 そういった後、かがみは悲しくなった。ここにこなたがいないことは、確かに調子が狂うのだが、それ以上の喪失感があった。 それきり、かがみとつかさはしゃべらなくなった。かがみはずっと押し黙ったように下を向いている。 (この胸を締め付けられる痛みはなんなんだろう) 自問自答しても回答は返ってこなかった。ただ、こなたの喪失を感じ、物足りなさが心に残っただけだった。 自室にこもり、予習、復習していたら結構な時間になっていた。 今ごろ、こなたはなにをしているのだろうかと、ふとかがみは思った。 そして、こなたに電話でもしようかと思い、電話に手が伸びた時、かがみの手が止まった。 もしかしたら彼氏と電話しているかもしれないし、邪魔しちゃ悪いかもと考えたのである。 そのとき、かがみは自分が泣いていることに気がついた。 (あれ、どうして私、泣いているの?) ポロポロと落ちてくる涙を前にして、狼狽する。意味のわからない涙は、しかし、意味を持って出てくる。 こんなとき、急にこなたに会いたくなる。だけど、こなたに会えない。 (こなたぁ、こなたぁ) かがみは何度も心の中で叫ぶ。こなたを感じていないと悲しくて胸がもやもやして、苦しかった。 やっとかがみは気がついたのだ、こなたが好きであると。 はじめて失って気がつく恋心は、もう行き場を失っていた。 淡くてむなしくて、そして悲しかった。 かがみはその晩、ずっと泣き続けた。自分がこんなにも弱い存在だとはじめて知った。 (こなたがいないと私、なにも出来ない!) その心の叫びはこなたの元には届かない。ただ、空虚を漂うだけであった。 翌日、通学中にかがみはこなたと会った。 それは以前と同じ日常であったのだが、かがみはこなたに会って嬉しくなった。 こなたの声も、顔も、体も、すべて愛しくてすべて悲しかった。 (強くならなくちゃ) かがみは決心する。 (こなたの彼氏に勝てるほど、強くならなくちゃ) こなたと会話しながらかがみは何度も決心する。この誰よりも好きなこなたを誰よりも愛せるように。 性別の垣根なく、女同士だろうと構わない、そんな強い人になりたいとかがみは願った。 「どったの、かがみ? 今日はなんか変だよ」 「なんでもないわよ。あんたこそ、彼氏がいるからってちょっと浮かれているんじゃない」 「えへへ、かがみ、嫉妬してる」 「そんなわけないでしょ!」 こなたにつっこみながら、かがみはこの掛け合いが楽しいと感じた。 こんな日常、こんな掛け合いのために、かがみは頑張ろうとしているのかもしれない。 放課後、かがみはこなたのクラスにやってきた。 「お、かがみん、帰るの?」 「うん、つかさを呼びに来たの」 「つかさなら職員室に呼び出されていたよ。だから、先に帰ってだってさ」 「じゃあ、」 かがみは思い切って言ってみる。 「一緒に帰る?」 「いやー今日もちょっと……ね」 頭を掻きながら、こなたは悪そうな顔をする。また、彼氏と帰るのだろう。 「そう……」 かがみはちょっとだけ悲しくなったが、落ち込んでもいられないとすぐに立ち直った。 「へへ、かがみ羨ましい?」 こなたが悪戯な笑みを見せる。 「そうね」 穏やかにかがみは答えた。こなたはその回答を聞いてちょっとだけつまらなさそうにしている。つっこんで欲しかったのだろうか。 しかし、その先に続く言葉は、彼氏が羨ましいになるのだろう。 「おーい、こなた。行くぞー」 こなたの彼氏がクラスにあらわれて呼んでいる。 「じゃあね、かがみ」 というと、こなたは足早に彼氏の方へ行った。かがみは無言で別れると、その二人に背中を見せた。 (絶対に、) かがみは、心の中でつぶやく。 (絶対に、こなたを振り向かせてやるんだから) このとき、かがみはこなたの彼氏に宣戦布告したのだった。 後編に続く コメントフォーム 名前 コメント 行けー!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-03-13 05 12 14) こういゆーの好きw -- 名無しさん (2014-08-29 23 21 46)
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風が一層冷たくなり、空に広がる曇天とは対照的に真っ白な雪が落ちてきそうな休日の話。私は柊家を訪れていた。 「おー。やっぱり冬と言えばこたつとみかんに限るよねー」 かがみの部屋へと通され、真っ先に私の視界へと入った物。人一人がどうにか足を伸ばせる程度の小さなこたつ。その上には籠に入れられたみかん。この二つだった。 「全く。お年寄りみたいなこと言っちゃって」 かがみは呆れ顔になりながら座り込む。そしてこたつにその足をしまいこんだ。私はかがみの対面に座る。視線が低くなったことにより、ふとある物が目に付く。 「……でもかがみはみかんだけで十分みたいだねー」 「う、うるさいわね!」 抗議の言葉に反して。かがみの前には私が来る前に食べたのであろう、みかんの皮が散乱していた。 ゴミ箱に入れることさえ忘れる程食べていたのか。かがみらしくて笑いが込み上げてくる。 「何笑ってるのよ?」 「なんでもないよー」 「……?」 怪訝な顔をするかがみを横目に、私は籠のみかんへ手を伸ばす。かがみの手も私の後に続いていた。……一体何個目なんだろう? そんなことを思いながらも、世間話に花を咲かせる。些細なことでも、かがみと話せれば心が暖まる。 一通りの話が終われば、今度はテレビを見る。二人で過ごす、静かなまったりとした時間。 決して嫌な一時ではない。だけど……何か物足りない。 さっきとは違いテレビだけに注目するかがみに、私は退屈感を持て余した。特に意味も無く、小さなこたつの中で足をパタパタと上下に動かしてみる。すると……。 「いたっ!?」 反動で勢い良く伸びた私の足が、かがみの足……しかも脛辺りにクリーンヒットしてしまった。 「ご、ごめんっ」 悪気は無かった。だから来るであろうお咎めを免れるため、直ぐに謝る。 私の気持ちを汲み取ったのか、かがみは困ったような顔で一つ溜め息をついた。 「はぁ……次からは気を付けてよね」 その言葉にこくりと頷く。しばらくは反省を示す為にテレビを見ながらぬくぬくする。……だけどやっぱり退屈な時間に変わり無かった。 かがみー、暇だよ。 声にならない叫びを心の中で繰り返す、その時だった。私の脳が何とも素晴らしい退屈しのぎの案を思いついたのだ。余りの名案にニヤニヤしそうな表情を引き締めながら、かがみの方を確認する。視線は相変わらずテレビに集中していた。カウンターを食らう可能性が皆無なのを認識し、私は思い切って行動に出た。 「うりゃ!」 「きゃあ!? い、いきなり何よ!」 私は器用な足指捌きで、かがみのわき腹をくすぐってみせたのだ。そして案の定、かがみはこっちを向く。更に可愛い声まで聞けた。よし、大成功。 「えー? かがみが次からは気をつけてって言ったから、ちょっと気を遣ってわき腹にしてみた」 「……おい。意味が分からないぞ、その気遣いは」 顔をほんのり赤めたかがみを見て、私の中の何かが膨れ上がる。 そしつ更なる追撃の為、私はこたつから下半身を出し上半身を中へと潜らせる。外に出した足は寒く、視界は真っ暗に近い。そして顔が暑くて息苦しい。 悪条件の三拍子にも関わらず、私はかがみの身体へと手を伸ばす。 「うりゃりゃりゃりゃー!」 「ちょ!? あははっ……こな、た……やめ……なって」 「ふっふっふ! まだだ、まだ終わらんよ!」 笑いを堪えて苦しそうな、だけど可愛いかがみの声に私の動きは止まることを知らない。当初の予定は、くくすぐることで私を気にかけて欲しかった。それだけだったのに……。 「こ、こな……や、めっ……んぁっ!」 やけに艶めかしい、くすぐりの域を越えた声。 ……正直、これは堪らん。かがみのあげる声に暴走した私は。此処がかがみの家ということなど気にせず、行為に夢中になる。 何かカタンと音が聞こえたけど、私はなりふり構わずくすぐり続けた。 ……それがいけなかった。 そう感じた時には既に、扉がガチャリと開けられていた。 「お姉ちゃん、こなちゃん、クッキー焼いて来たよー! 食べ……」 「ああんっ……こ、こなた……もう……だ、め……」 気分良くクッキーを持って来た妹と、あからさまにいかがわしい嬌声をあげた姉の声が重なって響く。 その瞬間、この場を沈黙だけが支配した。 慌ててこたつに潜らせていた上半身を出すと、各々の理由ど硬直しているのであろう、顔を真っ赤にした双子がいた。 「つ、つつつつかさっ!? い、今のはこなたがくすぐって……!」 「……た、食べないよねー!」 「だ、だから違っ」 「ごゆっくりぃぃ!!」 聞く耳持たず。つかさは逃げるように部屋から出て行った。そんな妹の背中に手を伸ばすようにしていた姉の顔色は、まるで血が通っていないように青白かった。これはまずい……。 「こ……」 「あ、あれー? つかさはどうしたんだろうね? 私呼んでく……」 「こなたぁぁぁ!!!」 「ご、ごめんなさい! 許してかがみ様ー!!」 「許せるかぁ!!!!」 この後、私がこっぴどく叱られたのは言うまでも無い。鉄拳制裁にプラスして、みかんまで飛んで来たのだから。まあ確かに悪いのは私だから仕方ない。 だけど、途中までは万更でも無かったくせに……。 こんな不満を抱きながら、私は柊家での休日を過ごすのであった。 「か、かがみ。みかん食べる?」 「いるかっ!」 おわり。 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-06-03 20 09 22) 面白いw笑えてけど、ちょっとエロいようでそうでない絶妙さがイイ! -- 名無しさん (2008-12-17 23 16 44)
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詳細でかかれていない部分や、下のアニメのシーンを書いていただける方募集しております 泉こなた 誕生日 5月28日生まれ(ふたご座) 出身地 埼玉県 血液型 A型 身長 142cm 利き手 両利き 一人称 私 趣味 ゲーム、アニメ、読書(漫画) 好き チョココロネ、萌え 嫌い もずく、スポーツ中継 好きな色 黒と赤 胸ランク 極小 家族構成 父(そうじろう)、母(かなた※こなた1歳の時に逝去)長女で一人っ子 クラス 3年B組 2年E組 得意科目 体育(好きというわけではない) 苦手科目 理系 備考:格闘技経験有 フィギュア関係にはほぼ興味なしの状態だったが、最近はまんざら守備範囲外でもない様子 【呼び方】 かがみ→かがみ、かがみ~、かがみん、かがみ様。 つかさ→つかさ みゆき→みゆきさん ゆたか→ゆーちゃん みなみ→みなみちゃん パティ→パティ ひより→ひよりん、ひよちゃん みさお→日下部さん、みさきち あやの→峰岸さん そうじろう→お父さん かなた→お母さん 黒井ななこ→先生、ななこさん 成実ゆい→姉さん、ゆい姉さん 成実きよたか→きー兄さん 高良ゆかり→おばさん 【呼ばれ方】 かがみ→あんた、こなた、こなた~、お前、こなたさん、こなちゃん(?) つかさ→こなちゃん みゆき→泉さん ゆたか→お姉ちゃん、こなたお姉ちゃん みなみ→先輩 パティ→コナタ ひより→泉先輩、先輩 こう→先輩(チビと思ってた時もある) みさお→ちびっ子 あやの→泉さん、泉ちゃん(ちゃん付け詳細求む) そうじろう→こなた かなた→こなた 黒井ななこ→泉、いずみー 成実ゆい→こなた 高良ゆかり→こなたちゃん 柊みき→こなたちゃん 白石みのる→泉 小神あきら→こなたさん 柊かがみ 誕生日 7月7日生まれ(かに座) 出身地 埼玉県 血液型 B型 身長 159cm 利き手 左利き 一人称 私 趣味 読書(主にラノベ)、ゲーム 好き お菓子(とくにチョコ菓子) 嫌い 貝類、体重計 好きな色 黒、菫色 胸ランク 中(Dカップぐらいらしい・・・みさお談 ないと思われがちっスけど、意外とあるっス…単行本4巻23p 田村ひよりの人物ファイル) 家族構成 父(ただお)母(みき)、長女(いのり)次女(まつり)四女(つかさ)三女(かがみ) クラス 3年C組 2年D組 得意科目 英語 苦手科目 家庭科 備考:1年生の時は学級委員長だった(この関係でみゆきと知り合った模様) 【呼び方】 こなた→あんた、こなた、こなた~、お前、こなたさん、こなちゃん(こなたの想像の中で) つかさ→つかさ、あんた みゆき→みゆき ゆたか→ゆたかちゃん みなみ→みなみちゃん パティ→パトリシアさん、あんた ひより→田村さん みさお→あんた、日下部 あやの→峰岸 そうじろう→おじさん かなた→おばさん 黒井ななこ→先生 成実ゆい→成実さん 柊ただお→お父さん 柊みき→お母さん 柊まつり→まつり姉さん 柊いのり→いのり姉さん 【呼ばれ方】 こなた→かがみ、かがみ~、かがみん、かがみ様。 つかさ→お姉ちゃん みゆき→かがみさん ゆたか→かがみ先輩 みなみ→かがみ先輩(詳細求む) パティ→(詳細求む) ひより→柊先輩、柊かがみ先輩 こう→(たぶんないと思いますが詳細求む) みさお→柊、柊ぃ~ あやの→柊ちゃん そうじろう→かがみちゃん かなた→(たぶんなし) 黒井ななこ→柊 成実ゆい→(たぶんなし) 柊ただお→かがみ 柊みき→かがみ 柊まつり→かがみ 柊いのり→かがみ 白石みのる→かがみ 小神あきら→かがみちゃん アニメでの有名なシーン 第01話『つっぱしる女』 【かがみのお見舞いに行くこなた】 「へぇ~かがみって意外に可愛い寝顔してんだぁ」 「何だよ何しに来たんだよ帰れよ!」「おぉ~起きた起きた」 「え、お見舞い?あんたが?私のためにわざわざ?」 「そうだよ」 「で、でもうつしたら悪いしさ。気持ちだけ貰うわよ」 (ちぃ・・・なによ嬉しいじゃない・・・ 新型のウイルスとか流行ってるから、心配してくれてるのかぁ いつもゲームやアニメのことしか考えてないと思ったけど、ちょっと、感動しちゃったじゃない) 「ん?」 「ほら、この前出た宿題とか見せてもらいたいし、あと、いい寝顔見せてもらったし気にしなくていいって」 「帰れ!」 第04話『やる気の問題』 ヒイラギケと表示された電話を受けたこなたが、いきなり「ハローかがみん」と挨拶するシーンがある。 (かがみからの電話だと確信している) 第07話『イメージ』 【寂しんぼかがみ】 「先のことって、進路のことかぁ。確かに高校生活盛り返しだもんね」 「でも、かがみはまだ大して先のこと考えてないんでしょ」 「はぁ!?何でよ失礼ね!」 「だぁって~、皆と同じ組になりたくって文系選んだくらいだもんね」 「つ、つかさぁ!!喋ったなぁー!!しかもよりによって、こ、こいつに!」 「もぉ、素直に言えばいいのに、寂しんぼさんだんだから~ぁ、よしよし」 「ぅ・・・う、うるさい!」 【かがみの胸の大きさを把握しているこなた】 「お姉ちゃんダイエットして夏太り解消したんじゃなかったっけ?」 「あぁー・・でも、体重は減ったのにウエストやヒップは変わんないのよね」 「いや、かがみ?ダイエットの成果 私には見えてるよ?」 「えっ、そう?」 「うん、手にとるようにな・・・ダイエットすると、痩せなくていいところから痩せていくという言い伝えがあるそうな」 「もういい!皆まで言うな!」 こなたがかがみの胸元をツンツンするシーンがある。 第10話『願望』 かがみは焦る二人に呆れつつも、先ほどまでこなたが抱えていたクッションを抱きしめているシーンがある。 (かがみとつかさが泉家に泊まりがけで遊びに行ったとき) かがみが冗談でこなたに「かがみ様」と呼ばせるシーンがある。 第12話『お祭りへ行こう』 巫女の手伝いがあるのに、かがみ(+つかさ)がコミケに付き合ってくれるシーンがある。 【初詣のお祈り】 「そういえばお姉ちゃん、さっき何か熱心にお祈りしてたね」 「またあんたは余計なことを!そんなに熱心にしてないわよ! ちょ、ちょっと今年くらいはつかさやみゆきと同じクラスがいいな、って思っただけよ」 「ふ~ん」「お姉ちゃん、こなちゃんは?」 「かがみってさ、実はけっこう可愛いよね~」 「うるさいな!そうやって茶化されてるから言いたくなかったのに!!」 「その抵抗がまた何とも」 「悪いかよ!!」 第15話『いきなりは変われない』 LIVE中こなたが前が見えずに飛び跳ねる そんなこなたを見てそっと席を譲るかがみ LIVE後「なんなんだろうね、この気持ち・・・」とこなたが言うシーンがある。 第21話『パンドラの箱』 修学旅行エピソードがある。 (こなたが、かがみのツッコミが復活したので頬を染めるシーン、気遣って電話をかけるシーンがある。 かがみの部屋の机の前のコルクボードに、おみくじと写真が貼ってあることが分かる。)
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『答え』~こなた~ あの日の夜、 かがみに告白しようと決心した。 そして迎えた月曜日。 「・・・いつ告白しようかな。」 やはり放課後に体育館裏とか屋上? ベタだが今の私にはこれくらいしか思いつかない。 ふっと時計を見る。 そろそろ家を出なければ電車に遅れてしまう。 私は急いで準備をし、家を出る。 いつものように駅前ではかがみとつかさがいた。 「こなた!遅いじゃないの!もうすぐ電車出ちゃうわよ!」 「ごめん・・・」 「なんだか元気が無いけど・・・どうかしたの?」 「ん?なんでもないよ?」 「そう?ならいいんだけど・・・」 一応感付かれないように振舞った。 関係ないけど今日も空気だね・・・つかさ そしていつも通り学校まで向かう。 私は隣にいるかがみばかり見ていた。 (どうやって告白しよう・・・?) かがみの見つめながら考えていた。 (やはり普通に『好き』というのが一番かな・・・) 少なくても何かネタに走るのだけはいけない。 またなんか変な子といってると思われても困るし・・・ ・・・断れたらどうしよう というか普通に考えたら断られるよね・・・ 真面目なかがみだもん。 同性に恋愛感情を持つなんて考えにくい。 ・・・でも それでも自分の気持ちを伝えるんだ・・・ 昨日、そう決心したから・・・ そうして私たちは学校に到着した。 いつも通りの、それでいて私にとっては、 覚悟を決めた一日が始まる・・・ 私は授業中どうやってかがみを体育館裏に呼び出そうか・・・ そればかり考えていた。 少しぼーっとしていたのかもしれない。 「それじゃあここを・・・泉!」 「・・・」 「泉!」 「・・・ぁ」 「どないしたん?」 「ぁ・・・なんでもないです。すいません。」 「そうか。ならいいわ。教科書の243ページの13行目から呼んでくれや。」 「はい。」 授業の後・・・ 「おい。泉。」 「なんですか?黒井先生?」 「お前なんか悩み事でもあるのか?」 「いや・・・特に無いです・・・」 「そうか。」 「はい」 「まぁ何か悩みがあったら遠慮なくいいな。」 「分かりました。ありがとうございます。」 そんなやり取りもあったが結局ずっと悩んでいた。 結局昼休みの間にかがみに直接「放課後に体育館裏に来てほしい」 そう伝えることにした。 そして4時限目 授業は終わりに差し掛かった。 一応考えはまとまったので、 これといってぼーっとすることも無かった。 そして授業は終わった。 お昼休みである。 一応つかさやみゆきさんに聞かれないように、 かがみを呼びに行くことにした。 「かがみん~」 「おぉこなた~」 「お昼ごはん一緒に食べよ~」 「おー分かった。ちょっと待ってて。」 「分かった。」 そしてかがみと一緒にクラスに向かう。 チャンスは今しかない。 (あぁ・・・なんかすごくドキドキする・・・) 別に告白するわけじゃないのにすごくドキドキする。 今こんなんだったら告白する時どうするの私! と・・・とにかく言わなきゃ・・・ 「「あ・・・あのさ」」 同時に両者から言葉が出た。 「あぁ・・・かがみからどうぞ」 「いや・・・こなたからどうぞ」 よく分からない会話が成り立った。 このままではgdgdになってしまって、 かがみに言うことができない! 少し沈黙ができる。 「んで?なに?こなた。」 会話を切り出したのは、かがみだった。 言ってしまおう。 「あのさ・・・かがみん。」 「ん?」 「今日の放課後さ、体育館裏に来てほしいんだけど・・・」 言った。 かがみはどんな反応するんだろう。 「分かったわ。」 うん。その反応じゃないと困ってしまいます。 「かがみは何?」 「いや、私はやっぱいいや。」 「そうかぁ~」 「じゃあ皆でお弁当食べようかぁ~」 「あんたはどうせチョココロネでしょ?」 そしていつも通りのお昼休みを過ごす。 5,6時限目はどんな言葉で告白しようかと考えていた。 素直に好きということにしたが、 どうやってその展開に持っていくか・・・ 悩んでも思いつかない・・・ その場の雰囲気に任せるか・・・ 一応決まった。 とりあえず授業に集中しないと・・・ そしてHRが終わった。 私は速攻で体育館裏に行った。 かがみが来るまでに心を落ち着けておかないと・・・ 「・・・遅いなぁ。」 私が着てから30分。 なんだか長く感じる・・・ 「こなた。」 「・・・あ。」 「『・・・あ』じゃないわよ。あんたが呼んだんでしょ。」 どっかで聞いた台詞だがそんなことはどうでもいい。 「あ・・・あのさ・・・」 「かがみんってさ・・・」 「ん?」 「同性愛とかってどう思う?」 「え?なんで?」 「いいから答えて。」 「わ、私は別に愛があれば性別は関係ないと思う。」 「そうか・・・」 思っていた反応と違う・・・ でも一番気になっていた、 かがみが同性愛についてどう思っているかが分かった。 よし。 覚悟を決めて・・・ 「かがみ。」 「ん?」 ドキドキする・・・ 自分でもどんどん心拍数が上がっていくのが分かる・・・ ドクドクと音が聞こえる。 「あ・・・あのさ・・・」 「私・・・かがみのこと好き!」 言ってしまった・・・ 恥ずかしい・・・ 恥ずかしすぎてかがみのこと見ていられない。 必然的に頭が下に向く。 目線がかがみの足にいく。 「こなた」 かがみの声が聞こえる・・・ 「あのね・・・」 「私もこなたのこと好きだよ。」 「え・・・?」 「私も今日こなたに告白しようと思ったの。」 「・・・」 何故か涙が出る。 嬉しくて涙が出る。 嬉しすぎてその後の会話は忘れてしまった。 「かがみ・・・」 「こなた・・・」 私はかがみを見つめる。 かがみも私と同じように真っ赤だった。 そして抱きしめあう どれくらいの間抱き合っていたか分からない。 でも覚えていることは、、 かがみは暖かかった。 かがみはいい匂いだった。 そしてお互いに見つめあい、 そして・・・ キスをする。 かがみの唇は柔らかく、 キスの味は何物にも例えられないほど甘かった。 唇と唇が離れる。 そしてもう一度抱き合った。 そして・・・ 「そろそろ帰ろうか?」 「そうだね。少し暗くなったし。」 私たちは校舎内に戻った。 しかしそこには人影がない。 「おかしいわね。」 確かにおかしい。 かがみと私がいないなら探していると思ったが・・・ そう思っていると、後ろから、 「わっ!」 「うわぁ!」 「なんだぁつかさかぁ~」 つかさだった。 「どうしたの?つかさ。」 「つかさ先輩だけじゃないッスよ。」 つかさの後ろからひよりんとパティが出てきた。 「どうしたの?三人とも。」 なんだか変な空気が漂う。 ま・・・まさか? その静寂の時を待っていたかのように、金髪の欧米人が攻撃を繰り出す。 「Oh!コナタ!見させていただきましたよ!」 やっぱり・・・ 「「・・・見てたの?」」 「もちろんだよお姉ちゃん。」 「いやぁつかさ先輩になんだか先輩たちの様子が変だと聞いたので・・・」 「こっそりついていったらコナタたちが・・・ねぇ。」 まさかあんな恥ずかしいシーンを見られていたとは・・・ 顔が真っ赤になる。 おそらくかがみもだろう。 というかつかさめぇ~空気の癖にぃ~ 「頼むからみゆきさんには内緒に・・・」 「でもそんなの関係ねぇ♪もうメールしちゃったよ。」 orz つかさめぇ~空気のk(ry まぁそんなこんなありながらも、 私とかがみは互いに思い続けていて、 今日めでたく結ばれましたとさ。 その次の日から周りの人からの質問の嵐だったのは いうまでもない・・・というか半分生き地獄でした。 なぜか黒井先生泣いてたし。 とにかく私は今、幸せです。 終わり コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-04-03 06 50 09) 面白かったです~。結末が何ともいえないww(いい意味で) -- 柊ただお (2008-10-19 01 55 49) よかったッス(^^) -- 名無しさん (2008-06-24 23 48 32) つかさ空気嫁w -- ハルヒ@ (2008-06-17 23 24 42) その人が幸せなら性別なんか 関係ないってことが伝わってきます -- 葵 (2008-06-16 15 43 20) つかさめ調子に乗りやがって・・・・ -- 名無しさん (2008-06-16 01 29 55) いい話でした。GJ!! -- 名無しさん (2008-06-16 00 51 27)
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「ねえ、こなた」 学校でかがみは私に聞いてきた。 「な~に?」 「もうすぐあんたの誕生日でしょ?何か欲しいものってある?」 「おお!私へのプレゼントですか!」 「リクエスト聞いてやるのもいいと思ってね。何がいい?」 「う~ん…まあ、強いて言うなら~…」 「うんうん」 「かがみかな」 「…」 「もうすぐあんたの誕生日でしょ?何か欲しいものってある?」 かがみは一度リセットして、全く同じ事を聞いてきた。 「かがみ」 「…」 「…あ、ああ。鏡ね。立て掛けるタイプ?それとも壁に掛けるのがいい?」 「私、柊かがみが欲しいんだけど(かがみ机を叩く)ごめんなさい特に思い付かないかな」 「じゃあ…例えば、服とか」 「私、ファッション興味ないよ」 「本は?」 「好きな漫画は発売日にゲットするけどね。…言っとくけどラノベもらっても読まないと思うよ」 「…じゃ、ケーキとか」 「かがみ太るよ」 「関係ねえよ!!」 「私、欲しいものはいっぱいあるけどバイトしてるからだいたい買えちゃうんだよね~」 かがみは少し呆れている。 「まったく…じゃあ、どうすりゃいいのよ?」 「う~んそれじゃあ誕生日は~…『一日私の言うこと聞く!』で」 「ええぇっ!!?」 「…なんでそんないやいやなのさ」 「あ、あんたのことだから…なんか…変なことさせそうで不安なのよ」 「ぷー、せっかくかがみがリクエスト聞くからって言ったのに…これしかないよ、私が欲しいのは」 「…あんまり無茶な事とか、非人道的なことはさせないわよね」 「だいじょぶだよ、そんな大したことはさせないからさ」 「じゃあ…それならいいわよ」 かがみは少し不安な顔をしながら受け入れた。 (…ニヤ) そして、誕生日の当日。 「それで?私はまず何したらいいのかしら?」 私はカバンから、コス専用ウサ耳を取り出した。 「これ付けて写真とって」 「…なっ、アホかお前はぁ!!!?」 「え~~~!?かがみ誕生日なら何でも聞くって言ったじゃ~ん!いきなり私との約束破るの~?」 「…だからって、こんなの…!」 「耳だけじゃん。私がバイトでやってるコスプレなんてもっとすごいヨ」 「あんたと一緒にするな!!」 …しかし、結局かがみはしぶしぶ撮ることになる。 ふっふっふっ…今日のかがみから私へのプレゼントとは、私を一日中萌えさせることなのだよん☆ 「お姉ちゃん、もうちょっと笑ったほうが…」 「いやいや、恥じらいがある姿も萌えるんだヨ。特にかがみは」 「…うぅ…は、早く撮りなさいよ!!///」 カシャ。 「言っとくけど、他の人には見せちゃだめだからね!」 「しないよ。私はただ待ち受けに」 「するなぁっ!!!!」 「でも、結構カワイイよ、かがみ」 「…そうかな?」 「あっ。ゆきちゃん似合~う。カワイイ~!」 「そっ、そうですか?…私こういったものは始めてでして…」 「おおおお!ウサ耳ヘッドみゆきさん激萌え~~!!!写メ撮らせて写メ!!」 「…ぉぃ」 私はかがみのクラスに来た。 「かがみい~、ツインテール触らして~」 「なんじゃそりゃぁ!!?」 そしてまた、誕生日の名目で、かがみの髪で遊ぶ。 かがみは決して楽しそうな目はしていない。 「なんだぁ?なんか面白そうなことやってんなー」 そう言ってみさきちがかがみの方に寄ってきた。 が、かがみがキッと睨んできたため、「みゅ~~~~」と言いながら、あやのに頭をなでられている。 ちょっと不憫。 お昼休み。 「それで、かがみ、お弁当は?」 「はい。ちゃんと作ってきたわよ」 私は昨日、まず、かがみに弁当だけを頼んでおいた。 「おお~!つかさ弁当並に豪華じゃん!!」 「どう?私だって、やるときはやるわよ。」 「お姉ちゃん、朝5時に起きてがんばってたもんね~」 「ちょっ!ちょっとつかさあ!!」 「なんだかんだで私のために頑張ってくれるかがみん萌え」 「…うるさい、さっさと食べろ!」 私は弁当の卵焼きを頬張る。 「おいしいよ、かがみ!」 「えっ、…そ、そう…良かった、うふふっ」 素直に言われると喜んでしまうかがみ、いいねえ…このツンデレっぷりがたまらんのだよ。 午後、また私はかがみのクラスに来る。 「か~がみっ!」 そう言って私は座っているかがみの後ろから抱きついた。 「なっ…ちょっとぉ…」 「今日のかがみは私専用☆」 「ぐ…今度は何よ…」 「今度はねぇ…ん~と…私にちゅ~して!」 「えっ!!ええっ!!!さすがにそれはちょっとだめよ…!」 「え~…せっかくかがみは約束してくれたのに…」 私の声が弱くなる。 「今日さ…かがみにいろいろしてもらうの…私、すごく嬉しくて…楽しみにしてたのに…」 「…」 「でも、そうだよね、いきなりそんなことかがみは嫌だよね…ましてや私なんて…ごめん…」 「…分かったわよ」 「え?」 「し、してあげるわよっ!!それでいいでしょ!」 「え~?いいのぉ~!?」 ふっ…かがみんよ…もはや逃れることはできんぞ… 「はい、じゃあ、して!」 私はかがみの方に顔の横を向ける。 「…」 かがみは顔を赤く染めながら少しずつ私の頬に近づいてくる。 カシャ。 「…え」 「かがみのキス顔と~った♪」 「…!!!」 私は喜んで早々に教室から出ていった。 その後のかがみの表情は…知らない。 再び私はかがみの教室に来た。 「かがみ様~!」 かがみが机からゆらりと立ち上がって言った。 「ははは…さあ次は何すりゃいいのよこなた。ほら、言ってごらん」 「ちょ、ちょっと怖いですよかがみサン…」 そう言って私はわざわざパティに借りてきたネコ耳をしまった。こっちは諦めた方がいい… 帰りの電車の中にて 「はあ…今日はなんだかいつもより疲れたわ…」 電車の中で、私とかがみが座っている。 私は、かがみの肩に頭をのせて寄りかかった。 「ちょ、ちょっと…!」 「た~んじょうび~」 「うっ…///」 かがみは表情を変えないままずっと下を見ていた…顔を赤くして。私はその表情をずっと見ていた。 (んふ~、かがみんて、ほんとウブなんだから☆まったく、可愛いねぇw) 電車から降りて、駅から出た私たち。 「はい!」 私はかがみの方に手を出した。 「…何よ」 「手ぇつないで帰ろ♪」 かがみの目が点になった。 「…は?…はああぁぁ!!?」 「私の家に着くまでだからぁ~」 「それ以上何があるのよっっ!!!」 そう言ってかがみの手をとってほっぺたにすりすりした。 「ねえ~お願いかがみん♪私のお祝いにさ!」 「く…!……!!… …。」 かがみは観念したようだ…よしよし♪ 「恥ずかしいわよ…周りの人に見られてるじゃない…」 「そかな?皆、大して気にしてないみたいだよ~。私たちのこと姉妹だと思ってるんじゃないかな~?」 「…これ以上、姉妹なんていらないわよっ!!」 帰り道は、結構長い。 私はずっとかがみが真っ赤になってる顔を観察して、ニヤニヤしながら歩いた。 しかし、なんだかだんだんかがみの握る手が強くなってきた気がする… しかも、かがみの方が歩く速度が速くなってくる。 …ヤケを起こしたのか。もはや私からは手を離すことができなかった。 ちょっと、かがみサン、手。手、痛いデスヨ。 しかし、かがみはある種のオーラを発していて、話し掛けにくかった。 なんというか、「くそぅ…コイツいちいち私のカンにさわることばかりしやがってなんで私がこんなことしなきゃ いけないのよ誕生日だからって調子のってんじゃないわよ明日はどうなるか覚えてなさいよフフフ」的オーラを感じた。 …お、怒ってる。 あ、ちょっとかがみさんや、握る手がますます強くありません?このままじゃ私の手がミンチになりますヨ? こうして、私は萌えている余裕がなくなったまま手を引かれ、かがみはずんずん歩いていく。 ようやく泉家に到着。 かがみの顔はもうこれ以上ないというほどに真っ赤だった。 ようやく私は手を離す。もとい、離される。あ…手が白くなってる。 「やぁ~、とうとう家に着いちゃったねえ。でも楽しかったよ~。ありがとね、かがみん、良い誕生日だったヨ!」 「私はひたすら恥ずかしかったわ…」 「それじゃあね!かがみ!」 「あっ、ま…待って」 かがみが急いだようにカバンの中をごそごそと探す。そしてある小さな紙袋を取り出した。 かがみはその紙袋の中から、ネックレスを取り出した。 派手ではないけど、かといって地味でもないきれいなデザインのネックレスだった。 「…え?」 かがみは、私の首にそれを付けた。 「け、結構似合うじゃない…」 私はポカンとして、そのネックレスを見つめる。 「やっぱりさ…私、こうゆうプレゼントしたいなって思ったから…」 かがみが頬を指でかきながら、言った。 私の顔がぼっと赤くなった。 「じゃ、じゃあ…また、明日ねっ」 かがみは走っていった。 …ずるいよ…今日は私だけが、ただ、かがみに萌える日だったのに… 「こなた!」 私は突然の呼び掛けに返事もせず、呼ばれた方を向いた。 「誕生日… おめでとっ!!!」 かがみは少し照れくさそうな笑顔で言った。 「…」 かがみは走り去った。 「も…もぅ!最後にこんな風になるなんて悔しい…今度、かがみのほっぺにいきなりちゅーしてやる…」 私は顔を赤くしたまま家の中に入っていった。 コメントフォーム 名前 コメント GJ! -- 名無しさん (2022-12-21 22 35 13) 二人が可愛すぎる。くやしい!ビクンビクン -- 名無しさん (2009-12-08 19 51 39) やっぱ、楽しくて、かつ萌えるSSっていいなあ。 -- 名無しさん (2008-06-20 01 32 12) 二人ともカワイイなぁおい! ごちそうさまでした (*´Д`) -- ハルヒ@ (2008-05-28 23 20 35)
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『問い』~こなた~ この気持ちは何なんだろう・・・? つかさが好き。 みゆきさんが好き。 これはきっと友達としてだよね・・・ かがみが好き。 これも友達として・・・? ううん。何か違う。 最近なんだかかがみのことが気になって仕方が無い。 私はいま、自分の部屋の真ん中で『そのこと』について悩んでいる。 ・・・なんでこんな気持ちになっているんだろう。 ゲームをしていても、 何をしていても、 頭の片隅にはいつもかがみがいる。 この気持ちは何なんだろう・・・? 自分で考えては答えの出ない自問自答を繰り返す。 じゃあ誰かに聞く? つかさ? ・・・なんかそういうのに疎そう。 みゆきさん? みゆきさんも疎そう・・・ ゆーちゃん? なんか聞きにくい・・・ 姉としての威厳(?)がそうさせる。 ・・・あっ 私は時計を見つめた。 針は既に午前2時を回っていた。 いつもならネトゲに勤しんでいる時間だが、 今日はそんな気分じゃない。 「・・・今日はもう寝よう。」 そう思い私はベットに入って目を瞑る・・・ 明日は日曜日で学校は休み。・・・って今2時だからもう日曜日か。 ゆっくり寝て、起きてから考えよう。 日曜日 いつも通り起きて、 いつも通り朝食を食べ、 いつも通り過ごしていたが、 ゲームなどはせず、 自分の部屋でぼーっとしていた。 「・・・なた」 「・・・こなた」 「こなたってば!」 「ふぇ?」 「『ふぇ?』じゃないわよ!」 声のするほうを見るとかがみとつかさがいる。 「あれ?かがみ?つかさ?なんでいるの?」 「あんたが呼んだんでしょ?」 「・・・あぁ」 「まさか、忘れてたわけじゃないわよね?」 そういえば昨日かがみやつかさと遊ぶ約束をしていたのをすっかり忘れていた。 「ごめん。すっかり忘れてた。」 「あのなぁ・・・」 「まぁ思い出したんだからいいじゃん♪」 「普通覚えておくだろう・・・というか一晩で忘れるな。」 「相変わらずかがみんはきびしいなぁ~」 昨日の悩みを隠すように振舞った。 「とにかく何して遊ぶつもりなの?」 「あぁちょっと皆でゲームをとね。」 「まぁあんたのことだからそんなことだろうと思ったけど。」 つかさが空気な気がするがとにかくゲームをやることにした。 ゲーム機を準備している間、沈黙が続く。 「それにしてもこなちゃんとお姉ちゃん仲いいよねぇ~」 空気がその沈黙を破った。 「まあ、そうかもね。」 ・・・あれあれ?かがみさん? いつもなら「別にそんなんじゃなんわよ」とかっていって 隣で私がニヤニヤしているんだけれど・・・ 今日はなんだかかがみも少し変だ・・・ それから少しして・・・ 「ねぇこなちゃん」 「ん~?」 「好きな人とかいるの?」 いきなり前振り無くダイレクトに来ますか。そうですか。 いや、人生ゲームやってましたがね。 「あ~、私も気になるわね。」 ちょっとちょっとかがみまで・・・^^; でも今、私がかがみに対して思う気持ちの正体がわかるかもしれない。 そう思い、 そのことを気になる人の前で話し始めた。 「ん~好きなのかどうかは分からないけれど・・・ なんだか気になる人はいるんだよ。 その人と一緒にいるとなんか安心するんだけど、 でも何でか分からないけど少し・・・なんというか なんか胸が締め付けられるというか・・・ ドキドキするんだよね・・・」 いろいろ省略はしたが、 今の悩みはすべて語った。 「ふぅ~ん」 そうしてつかさは私の話を聞いてくれた。 無論かがみも。 そしてつかさは少し考えた後、 「こなちゃん」 「ん?」 「それは『恋』だよ。」 「・・・」 何故か黙ってしまった。 でも、そういうことなんだよね・・・ 「それで?」 「ん?」 「誰なの?」 「い・・・言えないよ~」 その後のことはあまり覚えていない。 でも何故か空気だったつかさはおしゃべりになって、 何故かかがみは黙っていた・・・ その後いろいろあったがとにかくつかさとかがみは、家に帰っていった。 その後私は晩御飯を食べて、そのあとベットの上で ずっとつかさの一言についてを考えていた。 恋・・・か 私が・・・ かがみに・・・ 『恋』をしている。 今まで私は普通のオタク高校生として過ごしてきた。 百合とかはゲームとかも見たことがある。 でもまさか自分が同性を好きになるなんて思ってもいなかった。 もちろん今でも信じられない。 でもそれは、隠せない事実。 私はかがみに恋をしている。 それが今日分かったこと。 それが私が自分に聞いていた問いの答え。 私の頭の中での答え。 でも、 私の心にその答えはまだ出ていない。 告白しよう。 私は決心した。 そして私は眠りについた・・・ かがみに告白した時のかがみの答え。 それが私の心に対する問いの答えだから・・・ 『答え』~こなた~へ続く コメントフォーム 名前 コメント (≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-04-03 06 46 26) 続編、お待ちしてます。 -- kk (2008-06-15 00 39 09) 空気だったつかさww -- 名無しさん (2008-06-14 21 33 14)